流月亭 リハビリ中
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BASARA風味な日記&模造創作忍びが中心のサイトです。苦手な御方様はご注意ください。

リハビリ中
思った通りの文面が書けなくてわりと絶望しております。
語彙力が完全に亡くなっている・・・・・orz

そんな訳でリハビリを兼ねて本日はSSSのみで失礼致します。
相変わらず十勇士(-8)の話でっす。

ああぁぁああぁぁあぁぁあ本読みたい・・・・・・(涙)

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※SSS



血錆(ちさび)と泥と仄(ほの)かな抹香。
そんな匂いに包まれて、けれどもどこか安心しながら
ゆるりと意識が浮上した。


一番最初に思った事は、身体に力が入らない。
指先どころか瞼一つを動かすだけでも精一杯で、酷く重い眠気が或る。
次に身体が感じた事は、どうも誰かに運ばれている。
顔を広い背中に預け、両手は其の儘だらりと垂れてる自分を背負い
歩く誰かは一定に、砂土草(すなつちくさ)を躙(にじ)り歩いているようで
時折がさりと緑の擦(こす)れる音だけが、いやに大きく耳へと残る。
最後に薄く開いた視界に写ったは、滲(にじ)んで歪(ゆが)んだ夜の山。
(くら)く沈んだ只中に、光の一つと無い儘に
曖昧模糊(あいまいもこ)なる草葉や木々の陰影だけが、薄朦朧(うすぼんやり)と浮いている。
意識が段々戻るにつれて鼻の利きも目覚めてきたのか、微(かす)かに自分に染纏(しみまと)
(さび)と埃と泥の匂いが夜露で濡れて、一層強く鼻腔を突いた。

ゆさり。力一つと入らぬ自分を抱え直す揺れ一つ。


 (だれ)


殆ど動かぬ唇(くち)を無理矢理動かして、声に成らない尋(たずね)を上げた。
喉からすらも出ずに終わった問(とい)は勿論、乾いた口腔からも出ず
其の儘答えも無い儘に、夜の静寂(しじま)に消えるだけ。
(ああ)、駄目か。聞こえないかと思わず苦く思ってみれば


 「目覚めた途端に誰とは随分ご挨拶じゃのう」


意外な事に自分を背負う相手から、そんな言葉が返って来た。
錆の付いた、低く沈んで嗄(しわが)れている老人声。
けれどもその実、筋も肉も精神も、矍鑠(かくしゃく)としてる好々爺なる巨男(おおおとこ)
自分の好く知る仲間で家族の内が一人。三好晴海の声である。


 「ほれ、呆けてしまうにゃちいと年齢(とし)が早かろう。いつもの元気はどうした鎌。」
 (せーちゃん・・・?)
 「判らぬか。目もやられたか其れとも頭か」
 (わかんない・・・)
 「解らぬか。まあ相当手酷くやられておったからのう。無茶をしおる。」


口の中でもごもご籠(こも)る自分の言葉を、この晴海はいとも容易(たやす)く確(しか)と聞き取り答えを返す。
けれども其れを不思議に思う事は無い。
何故なら自分はそして仲間は、この男が盲(めしいた)た代わりに得た能力(もの)を、皆々識(し)っているからだ。
気配に聡(さと)くは無論の事柄、見えぬ物をも感じ取れる、聞き取れる。
そうして受け取り返す態度や言葉には少し毒や皮肉が有れども、それでも確りと応えてくれるがこの人なのだ。


 (敵は。追手(おって)は)
 「扠(さて)儂が見た所、この付近には向こうに転がる幾人かの屍体(ほとけ)さんしか居らんかったの。」
 (そっかあ・・・)
 「全くお主を見つけた時は肝が冷えたわ。生命力が取り柄のお主が血塗(ちみど)ろで、声を掛けても引っ叩いても目を開けん。すわ死んだかと思うた程じゃ」
 (せーちゃんでも、吃驚(びっくり)するんだ)
 「相手によるがな。これがもしも望月じゃったら此処まで喫驚(きっきょう)なぞせんわい」


同じ仲間の望月と、何処か似ている減らず口。
肝が冷えたと云いながらも平素変わらぬ態度の其れに、ふ、と思わず笑いが漏れた。
勿論そんな空気の震えも聞こえたのだろう晴海は、こちらも少し破顔して
漸く少しは元気が出たかとどこか明るい声を出す。


 (せーちゃん、降ろしていいよ。アタシ歩くよ)
 「禄に声も出せぬ身体で抜かすでないわ。この虚(うつ)け。」
 (でも、動かそうとすれば動くよ。動けるよ)
 「こんな時だけ変な遠慮や気遣いなんざ回すでない。まるでお主らしくも無い。
  直(じき)に屋敷に辿り着く。其れまで少し休んどれ」


今一度、ゆさりと自分を大きく抱え直して持ち上げて
優しい動きと裏腹に、降ってくるのは一層強い憎まれ口。
けれども其れを、自分は何処か嬉しい気持ちで受け止めて
完全に、力を抜いて目を閉じて、其の背へ身体を預けて掛かる。


 (・・・じゃあ、遠慮無く、甘えちゃうから)
 「おうおう。せめて喋れるくらいには恢復(かいふく)させておくンじゃよ」
 (うん。頑張るのよ)
 「素直で宜しい。全く同じ死に損ないでも何処ぞの誰かとは大違いじゃの」
 (・・・うふふ、)


血錆(ちさび)と泥と仄(ほの)かな抹香。
そんな匂いに包まれて、けれどもどこか安心しながら
ゆるりと意識が落ちていく。

殆ど意識が無い儘に、ぽつりと小さく今一度
せーちゃん、と。男の名前を口の中で呟いた。


 (ありがとう)


海ちゃん程では無いけれど。
其れでも、大好き。大好きなのよ。と
続く言葉は喉からも、空気にすらも成らない儘
自分の意識は完全に、泥の中へと消え失せた。


 「好(よ)い夢を」


おやすみなさい、と。
沈む直前寸前に、模糊(もこ)なる手前で聞こえたは
そんな優しい、祈り言(ごと)


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※生臭坊主と、血腥(ちなまぐさ)い女の子。


あともう一組の保護者ーズも書きたいです。
・・・書けたら

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