流月亭 SS
BASARA風味な日記&模造創作忍びが中心のサイトです。苦手な御方様はご注意ください。

SS
・・・・・・結局仕上がったのは朝の4時でした orz

現在結構眠いですorz
そして最早何が書きたかったのか分からないSSになりました。

そんな訳で、先日の小ネタ分をアップさせて頂きます。
ややこネタにて、大助と五郎八ちゃん。

時間軸として、夏の陣が終わってかなり経過した後です。
重綱と阿梅がくっついた後・・・くらいでしょうか。
実は大助についてどうしようか、現在進行形で悩んでいたりします。
大阪城で史実通りに死亡エンドを迎えさせるか、ちょっと奇をてらった生存ルートにさせようか・・・・
以下のSSは、試しに生存ルートとして考えてみました。
世間的には大阪城にて死亡とされていた大助が、実は生きてて某郷片倉に来ましたよー的な流れです。

成長してちと一筋縄ではいかなくなった大助を書いてみたかったのですが
途中から何を書きたかったのかわからなくなり、なんとも纏まりのない話になりました;;;

なんかもう、スイマセン。
ほんともう、スイマセン;;;


考え直しますorz
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それで良いの、と問う声に
これで良いの、と頷いた。



色んな事が沢山あって
悲しい事が沢山起きて
嬉しい事が無くなって
それでも何とか、生き延びて
真田大助だった人物・・・即ち俺は、今は某郷にいたりする。

過程は省略。
詳しい事はまたいつか。
真田の家名も大助の名前も、ずっと前に、無くなったけど
兎にも角にも俺は今、生きてちゃんと、此処に居る。


 「ったくアンタが化けて出たと聞いた時は驚いたわよ。
 これ以上に恐ろしくもない、間抜けな幽霊が居るんかいって」


適度な岩に腰掛けて、何ともなしに足をぶらぶらさせてたら
そんな声が隣から、呆れ混じりに聞こえてくる。
ふいと首を回(めぐ)らせば、其処に居たのは伊達五郎八。
腕を組んで退屈そうに、先程俺が見ていたものを、どこか遠目で眺めていて。


 「驚いてくれたんだったら幽霊冥利に尽きるけどさあ、
 梅は勿論、重の兄(に)ィも五郎八の姉(ね)ェもその後殴ってくんだもん。それも本気で、大真自(おおまじ)で。
 どこの世界に殴られかかる幽霊いんのさ。」
 「アンタだからしゃあないわ。散々迷惑掛けたんだから有り難く拳の五つや六つは受けとっときなさい」
 「俺が掛けたの迷惑だったの?心配じゃなくて?」
 「度が過ぎるモンは迷惑になんのよ。」


ごめんなさーい、と返事して
俺も五郎八の姉ェと同じく、視線を元見た処へやる。
少し離れた、けれどもお互い話し声の届かない。そんな場所に居る二人。
重綱と阿梅の、居る方へ。


 「漸くくっついたんだねえ」
 「漸くくっついたのよ」
 「長かったでしょ」
 「長いなんてモンじゃ無えわ、いっそこのテにゃてんで向かないアンタの手すらも借りたくなる程に面倒だったんだから」
 「そっちも色々、あったんだねえ」


あーあ、と呟き息を吐き、腕を頭の後ろで組んだ。
振られちゃったね、お互いに。
眺める視線はそのままに、ぽつりと口に零してみれば
視界の隅の姉ェの肩が、ぴく、と僅かに大きく揺れる。
恐らく意外だったのだろう。
五郎八の姉ェの、重の兄ィに対する想い。
真逆俺が気づいていたとか。
真逆俺に知られていたとか。

いつからよ。と、振り向かず、主語も言わずで問う声に
結構前。と、視線を下げず、暈(ぼか)した言葉で答えを返す。
昔の俺なら、真田大助の俺だったなら、気付かなかったかもしれない。
それくらいに割と上手く隠されていた、五郎八の姉ェの心の事情。
けどまあ、今は。
俺の方にも色々あって、俺も色々変わっているから。


 「五郎八の姉ェも、随分前から隠してたんだねえ」
 「も、とか言うな。同じにすんな。
 少なくともアタシはアンタみたいに禁断の領域に手ェ出してないから」
 「安心してよ。梅の事は半分家族愛だったから。俺」
 「もう半分は何なのかなんておっそろしいツッコミはしないからね。」
 「えー、吝嗇(けち)ー」
 「ツッコミ待ちという名の確信犯とかアンタ本当に性格変わったわね。ムカつく方向に」


此方を見もせず淡々と、相も変わらず冷たい言葉を投げてくる
そんな姉ェにへらりと笑い、視線を其処で姉ェへと移す。
向こうの二人を見やる姿は呆れと疲れと退屈と、やっとの事でくっついた、二人の結果に多少の安堵が混じってて
けれども僅かにどことなく、寂しいようなそんな気配がちらちら見える。
そんな姉ェの姿を見たら、何となく
五郎八の姉ェにはまだ少し、重の兄ィへの未練があると
昔よりも遥かに聡(さと)くなった俺は、そんな事を悟ってしまった。

だから、って訳でもないけれど。
ふ、と笑みを引っ込めて、至極真面目な顔をして
(じ)っと佇む姉ェを見ながら、名前を呼んだ。


 「五郎八の姉ェさん」
 「今度は何よ」
 「いっそ俺を、選んでみない?」


振られた同士、いっそ俺等もくっつかない?


聞くなり姉ェはもんの凄い勢いで、俺の方を振り返る。
流石にこれは予想外に過ぎたのだろう。いつもの澄んだ顔立ちが、驚きなんだか嫌悪だかで歪んでる。
けれども俺も表情筋を変えないままで姉ェの視線を受け止めて
そのまま一つ。二つに三つ。
見つめ合う、と言うよりも、睨み合いか威嚇の仕合いに近い意味で、お互い背(そむ)けず目を合わす。
最初にげんなり、息を吐いたは姉ェだった。


 「質の悪い冗談ほざくガキなんざ、大量金を積まれたって願い下げだわ」
 「あははは。やっぱり姉ェは騙されないかあ」
 「たりめーよ。心も何も篭っちゃいない、上っ面の言葉だけで騙せるとでも思ってんの。
 いくら必死に真顔をこさえた処で、それに絆(ほだ)されてやる程、アタシは安くも軽くもないわ」
 「みたいだね。姉ェはやっぱり、難しい」


座る岩から飛び降りて、もう一度、へらりと笑って姉ェを見る。
まあ俺も、下手に姉ェに手を出して、二人にじわじわ殺されるのは嫌だしね。
依然、頭の後ろで組まれた腕をゆらゆら動かし呟けば、二人?と姉ェが問うてくる。
二人でしょ?言わずとしれた此方の世界の大殿さんと、姉ェを想う徳川の・・・
そこまで言ったら此又(これまた)すんごい勢いで、俺の口に平手が飛んだ。


 「なんで其処まで知ってんのよ。てか勘付いてんのよ。アンタこっち側に来たの、つい最近だったでしょうが」
 「俺にも色々あったんだってば」
 「だから何でアンタの『色々』に、アタシの周囲の事情までもが含まれてんのよ」
 「んー・・・流れ的に、自然と情報が集まってきた感じ?」
 「情報源、誰だ。」
 「色々」


いいじゃないの、照れなくて。
俺としてはそう思うけど、姉ェにとってはどうも周囲に知られる事は恥ずかしくって嫌みたい。
俺は実際、もう一人の怖い人。葵の兄ィとは会うは勿論顔も見た事ないけれど
結構凄く、思いっきりに、姉ェの事を見ていて想ってくれてるらしい。
やっぱり人は未練とか、寂しい気持ちをすっぱり切るって出来ない事なんだろうけど
それでもそこまで自分を想ってくれる誰かが居るって、幸せな事だと思うんだよね。
だから俺は、「情報元を吐け」と凄む五郎八の姉ェに、思った言葉を差し出した。

いいじゃんか。五郎八の姉ェも。
葵の兄ィのその気持ち。満更でもないんなら。
重の兄ィへの気持ちとか、全部全部断ち切って、忘れっちゃえって訳じゃないけど
心ん中の優先順位をちょっとだけ、自分の為に変えちゃったっていいじゃんか。
梅と重の兄ィよりも、幸せになってもいいじゃんか。
むしろなってよ、姉ェもさ。笑顔に。

俺は多分この先ずっと、恋とか好きとか、しないから。
重の兄ィと梅のような、ああいう笑顔、この先ずっと、出来ないから。


そこまで言ったら五郎八の姉ェは、再び変な顔をした。
この先ずっと?何それアンタの決意表明?
俺の胸倉掴む手と、篭(こも)る力はそのままだけど、声はいつもの冷静さ。
俺はそんな二つの問いに頷いて、けれども次いで、首を振る。


 「ちょっと違う。決意じゃなくて、事実。俺出来ないんだ。もう。そういうの」
 「何でよ」
 「無いんだ。“これ”が」


そう言いながら俺の胸を指さした。
愈々(いよいよ)理解が出来なくなってきたみたいで、姉ェの手から力が抜ける。
怪訝な様子で、主語を言え、と言ってくる、そんな姉ェに苦笑して
俺もどう説明したら良いんだろうか、分かんないんだ、と返事をした。


誤解が無いよう最初に言っておくけれど、心の蔵が実は無い、とかそんな話じゃないからね。
俺はちゃんと生きてるもん。
そりゃあ一度か二度くらい、死んだ事になったけど。
俺が言う“これ”ってのはね、何だろう。胸ん中にあったんだ。
なんて呼べばいいのか俺には分かんなかった。だから“これ”って呼んでいた。
無理に名付けるつもりも無かった。だってどれも違ったような気がしたもの。
ただ、何となく暖かかった。不安定で、時々泣きたくなったりした。
感情とか、心とか。そんな大きなものじゃないけど
小っちゃな小っちゃな・・・何だろう。ほんとに何て言うんだろう。
違和感、みたいな。塊みたいな。丸みを帯びた刺(とげ)、みたいな。
けれども全然、嫌な感じはしなくって。
むしろ何だか嬉しいような寂しいような、うずうずしてくる何かがあって。
兎に角そんな感じのものが、俺の中にあったんだ。
そんでもって何となく、梅と一緒に居なくちゃって、ずっとずっとそんな感じがしてたんだ。


なんでそんな風に思ってたか、今なら理解しているよ。
“これ”はね、梅にとって凄く大事なものだったんだ。
でもね、梅は“これ”を持っていなかった。
生まれた時から、持って無かった。
俺が全部、梅の分まで奪って生まれてきちゃってたんだ。

だからね、俺は梅にあげた。
重の兄ィが分からなくって、探して悩んで、けれども一番必要なのが欠けちゃっていて
凄く、凄く苦しんでたから。
“これ”は梅にとって、重の兄ィを知る為に、重の兄ィに気づく為に絶対必要だったから。
“これ”が俺に、そう教えてくれたんだ。
いつか時期が来た時に、返さなくちゃいけないからって。
だから俺はずっとの間、梅にべったりだったんだろうね。

梅の事は、大好き『だった』よ。
半分くらいは家族愛『だった』けど。
あ、えとね、でもね?勿論今でも大好きだよ?
飛びつきたいし抱きつきたいし、独り占めをしたいなあって時もある。
半分くらいは家族愛でね。
けれども以前の、真田大助だった時の俺みたいに、執着まではしてないよ。
梅に全部、あげちゃったから。
“これ”はもう、俺の中には欠片も無いから。


 「そんな訳で、あの二人がくっつく経緯に関しては、俺もちょこっと手伝っていたりするんだよね」
 「なんでその話からいきなり其処に話題が飛ぶかね!?」
 「俺の手も借りたい程に面倒だった、ってちょっと前に言ってたじゃんか」
 「真逆皮肉で言った言葉を、今皮肉で返されるとは思わなかったわ」


やるでしょ、俺ーと笑顔で言えば
腹立つだけだわ、なんて言葉と軽めの拳が腹を目掛けて飛んでくる。


 「つまりね、そういう訳だから。五郎八の姉ェは存分に幸せんなってちょーだいよ」
 「だから何でそういう風に話題が飛ぶ訳!」
 「重の兄ィにも今の梅にも、そんでもって五郎八の姉ェにも、ちゃんと“これ”はあるじゃんか。
 勿体無いよ。使わなきゃ。
 勿体無いよ。笑顔になんなきゃ」
 「余計なお世話に差し出がましい忠告無用。自分の幸せなんてものは自分自身で決めんのよ」


そろそろ八つ時、湿った話題はこの辺で。
アイツ等誘って餅でも食べに行きますか。
そう言い置いて、姉ェはすたすた、向こうの方へ歩き出す。
逃げたな、もう。
自分の“これ”に其処まで背いてどうすんの。
それで良いのと口を開きかけたけど
素直になれない、むしろならない姉ェらしい。と、思う気持ちが僅かに勝り。
結果的に笑いを零して俺も一歩、姉ェの背中を追いかける。


 「・・・・アンタはそれで、本当に良いのね。」


そんな姉ェの背中から、聞こえてきたのは決して大きくなどない声。
おそらく言葉のその先には、
「ずっとずっとこの先も、“これ”を無くした、空っぽ状態のそのままで」とか、
「恋も何も出来ないと、思ったままの人生で」とか、そんな意味が続いていたんだろうけど
逃げはお相子、痛み分け。
俺だけ素直に答えるなんて、ちょっと狡いと思うんだよね。
だから俺は、へらりと笑って、こう返す。




 「うん。俺団子も良いけれど、餅も結構好きだから」








それで良いの、と問う声に
これで良いの、と頷いた。






主語も意味も声もない。
気配だけの、押し問答。

問うていたのは、どちらの方か。


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Comment

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ふおおお!!
みんなが幸せになったっていいじゃないか朱鷺さんは生存ルート希望しますそしてゴメンちょっと便乗してこっちは暗い次世代ズの小ネタ上げちゃったー!!!

大助と五郎八もステキじゃないか(大真面目)最もウチの馬鹿親と腹黒六男は許しまへん状態だけど(笑)うわーうわー久々にネタ語りしたい前回は朱鷺さんの腹が謀反起こして出来なかったからね!!!

しかし狐白。ややこパロ壮大すぎて終わりが見えない事態になっとるorz

朱鷺高 | URL | 2014/05/24/Sat 01:35[EDIT]
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