流月亭 日記小ネタログ 78
BASARA風味な日記&模造創作忍びが中心のサイトです。苦手な御方様はご注意ください。

日記小ネタログ 78
日記で書かせて頂いております小ネタログ集。

その他の小ネタ達です。
主に相棒サイトとの十勇士コラボ、模造伊賀忍者達の小ネタがあります。



SSが多いです。
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――――日記小ネタログ――――




※まさかのコラボ&現代パロ・・・かな?

御題 : 今年のバレンタイン事情~望月編~

流=当サイト
相=相棒サイト


at バレンタイン後日

小助(相)「小助さん・・・・(-.-lll)」
小助(流)「おう・・・・ンだよ辛気臭ェ顔しやがッて。結局月の野郎からはチョコ貰えなかったってェ落ちか?まあアイツも今回ァ寝込んでたンだ。あげられなくても仕様が無ェだろ」
小助(相)「いえ・・・チョコ、貰ったは貰ったんです・・・」
小助(流)「?なんだ、貰ったンなら良かったじゃねェか。ンで落ち込む必要があンだよ?既製品だったとかか?」
小助(相)「いえ、手作りでした・・・。こう、大きいハートマーク型のチョコが一枚・・・」
小助(流)「・・・・・。また凄まじく奴らしく無ェベタな形状だな・・・;ンで?それがどしたよ」
小助(相)「・・・・チョコの表面に、ホワイトチョコでコーティングがされていたんですが・・・それが・・・」
小助(流)「・・・」
小助(相)「・・・・・大きく一文字、“(笑)”って文字・・・でし て・・・・」
小助(流)「・・・・・。


小助(相)「こ・・・これ 僕どう受け取ったら・・・どういう意味で解釈したら 良いのか わから な・・・・ッ!!(ノノ)゜・。」
小助(流)「月ィイイイイッ!!!望月六郎ちょっと来いィイイイイイッ!!!(ノ-o-)ノ ┫:・'.::」


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※からかっているのか照れ隠しなのか遊んでいるのか。

今年のバレンタインネタ これにて完結です!!


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※相棒サイトコラボ・SSS


一体どうしてこうなったのか。
宴に酔った屁垂れ男を使わぬ部屋へと引きずって
(かけ)の後ろに寝かせていたら、次いで来たのは我が主。
向こう側の同じ主と連れ添って、酔っているのか倩兮(けらけら)楽しく戯(じゃ)れあって
ころり部屋へと転がり込んでは、取っ組み合ったり、絡んだり。

一体何をしてンだィ。

一声掛けて出ようとしても、無邪気に遊ぶ二匹の仔虎はそんな水などさせる空気でもなくて。
仕方の無しに掛(かけ)の後ろにぺたりと座り、息を潜める現状況。
少しも経てば酔いが覚めるか潰れるか、各々(おのおの)保護者が来るだろう。
出歯亀なんてな柄ではないが、少し狸を決め込むか、と。

 「・・・う゛」

そう思っていた、時だった。
足の元で転がっている、男が呻きをあげたのは。
ほんとにどうしてこの男、間合いも運も悪いのか
(かけ)の向こうで戯(たわむ)れる、二匹の気配を気にしつつ
そろり男にのし掛かり、その手で口を塞ぎ込む。

 「・・・・!?」

そんな己の重みからか気配からかで男も少し意識が戻ったのであろう。
薄く瞼を開いた直後、弾いたようにパチリとその眼を見開かせ
上がるは手元で殺された、小さな小さな呻きと叫びの言葉だけ。


 「・・・!・・・!!?」
 (静かにしなね、鬱陶しい)
 「・・・・・・!!・・・!!???」
 (ここで騒いで気づかれちゃァ、もっと面倒な事態になンのさ)
 「――――――――!!!!!」
 (良いから黙って、ジッとしな)


次第に頭も覚めてきたのか冴えてきたのか、己の下の男の体がむずむず微かに動き出す。
向こうは体躯の良い男、到底己の細腕一つ体一つでは動きの全てを抑えきれる訳も無く。
やがて小さく漏れ上がる、衣擦れ音に喉の奥で舌打ち一つ。
動くなッて 言ってンだろが。

暴れ始めた男の様(ざま)にほんの少し苛立って、黙らす為にと男の喉へ口を寄せ。
そうして静かに喉笛に、囁くように噛み付いた。




 (それとも表の仔虎のように――――
   裏の儂等も 狂ってみるかィ?)




ぐふだかげふだかごふゥだか、喉の底で低い断末魔をあげて
くたりと男は意識を失くす。
そんな男の様子に疲れ、何も知らずに転がり続ける掛(かけ)の向こうの二匹に呆れ
己も身体の力が抜けて、男の胸へと寝そべった。








金の屏風に 墨絵の牡丹
 中に二人の 狂い獅子









ほんとにどうして こうなったンだか。


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※こもちと言うか、もちこと言うか・・・・

ちょっと幸村×幸村テイストもいれてみました(笑)

都々逸ネタでSSを書いてみたかったので、SSSと言う形で少し練習してみました。
都々逸は色っぽいものが多いので、ちょっと色気多めのものに挑戦です。
・・・・・無理があるかなあ やっぱり・・・・・・(;¬¬)


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※相棒サイトコラボ・SSS

微睡(まどろ)みの中、そろそろ朝だと感じ取る。
ほんの少し肌寒い朝の空気が沈む中、己はぼやりと瞼を開けた。

見慣れぬ景色に此処は何処だと頭が問いて
此処は確か彼処だと、心の声が応じて結ぶ。
そうだ己は昨(さく)の夜、十勇士達を供に連れ
酒と肴を土産に提(ひっさ)げ、某郷にへと赴いたのだ。

酒を交わして語り合い
久方ぶりに己も酔いて
果てさてそれでは珍しく、己は潰れてしまっていたのか
気がつけば、宴の席でも見慣れた部屋でも何処でも無い
人気も無しなる、此処である。

日の気もまだな薄ぼらけ。
火の気は勿論人の気も、馳走の残りも酒の香りも残らぬ部屋は何処か空虚で薄ら寒い。
只々(ただただ)差し込む夜の残り香、もとい冷気が背中を浸し
ふるり震えて無意識に、腕の中の温(ぬく)を抱く。

其処で気づいた。
己の他にもう一人、人の気配があることに。
閉じかけ瞼を薄く開け、腕の中を見てみれば
其処で眠るは己とまるで同じ顔。同じ体躯に同じ声。
此処の世界の己自身が、すかすか眠りこけていて。

そういえば、と思い出す。
珍しくに酔った為か、己も昨夜は久方ぶりに羽目を外して
確か、多分、此方の己と笑いながらに巫山戯合っていたような。

それでは矢張り、己は潰れていたのかと、頭で一つ理解して。
ならば心の赴くままに、このまま二度寝と洒落込むか、と構わぬままに腕の中の己を抱(いだ)く。
朝はまだまだ遠いのだ、寝穢(いぎたな)くとも咎める者などいやしない。


 「旦那!アンタ何でこんな処で寝っ転がっている訳!!?」


そう思っていたと言うのに
朝も間近な静寂も、寂(しん)と沈んだ空気も眠気もぶち破り
吠えて己を咎めるは、何とも煩い明烏(あけがらす)


 「いやいや寝たふりなんかしてないで、そっちの旦那に抱きついてないで!!そろそろ帰らないとだし俺等!!」


眉根を寄せて、それでも瞼を開かぬ己に焦れたのか
声を上げて身体を揺する鴉に苛立ち、けれども腕の力は解かず。


 「旦那ー起きてってば旦・・・・げふぁ!!?」


それでも執拗(しつこく)囀る鴉に
右手をひと振り、真っ直ぐに。
己の今持つ力の全てを込めた拳で、「黙れ」と一声、牽制する。









三千世界の鴉を殺し
 主と朝寝が してみたい











この一時(ひととき)を邪魔するならば
仮令(たとえ)猿でも、鴉でも。


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※まさかの黒村×白村テイスト。

微妙に前のSSSと続いております。


都々逸ネタでSSを書いてみたかったので、SSSと言う形で少し練習中であります。
いっそSSSの方が書けるかもしれませんね・・・。


この都々逸をどう扱うか、当初は結構悩んでいましたが、
先日相棒と語っていた際に「コレ良いじゃないか!!!」と閃きましたので、相棒の許可を得て、黒村様視点で書かせて頂きました。
全然黒村様らしく出来なかった・・・・・相棒 スマン!!;;;


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※模造伊賀忍ネタ

御題 : 弟子について何か自慢してみよう!

服部「俺ん処の団蔵は、あの上杉と武田が恐れる程の実力を持ってんだぜ!!」
藤林『うちの道順は伊賀忍にしては珍しく、僕を心から慕ってくれているよ^^』
百地「僕のいっしーと霧ちゃんは・・・・逃げ足が早い。

服部「・・・」
藤林『・・・』
百地「・・・」


百地「・・・・多分、伊賀の誰よりも・・・」
服部「・・・。おう・・・・そうだな・・・・;
藤林『・・・・それは、認めるよ・・・;;


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※誰かさんの所為でというか、おかげというか。

書いていて思ったのですが自慢なのでしょうか コレ。


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※模造伊賀忍割と一発ネタ

御題 : 「100万人の戦国無双」の百地師匠がとっても半蔵狙いな件について

半蔵「あっはっはっは!!!そうだろそうだろ!!俺の息子は文武両道、忠にも義にも厚く知名度もある!!
 そりゃあ流石の百だって色目も使うか!!あっはっは!!!」
百地「・・・・。
 ・・・知名度なら・・・僕のいっしーと霧ちゃんだって・・・負けてないし・・・・」
藤林『・・・自分へ向けられた誤解を解く前に、まず言う事はそれなのかい、百・・・・;


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※どんだけ負けず嫌いなんだ。 by ふっくん

しかも良く見たら百地師匠、物凄いものに乗っていらっしゃいました。
「100万人の戦国無双」侮れん・・・!!


他にも佐助とか猫御前とか小十郎さんとか信之兄様とかいらっしゃいましたv
みんな可愛いですvv
そして細川忠興さんの目が果てしなくイッちゃってます(笑)
プレイはしておりませんが、キャラグラフィックだけでも十分に楽しめました♪

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※模造伊賀忍まさかの現代パラレルネタ

御題 : 今年のバレンタイン光景

藤林『百、半蔵、お茶が入ったよ。
 ・・・・たまにはお茶請けにこういうお菓子なんてどうかな』
服部「あん?ポッキー?」
百地「渋好みのふっくんにしては・・・珍しい・・・・」
藤林『ふふふ。たまには、ね。それにほら、今日はバレンタインデーだし』
服部「ああ、そういやそうだった・・・まさか野郎にチョコを貰う日が来るたあな・・・」(ポキッ)
藤林『とか言いながら、一本をわずか二口で食べるなんて、相変わらず豪快だね・・・^^;』(ポキポキ)
服部「お前がちまちま食い過ぎなんだよ」(ポキッ)
百地「・・・」(サクサクサクサクサク)

藤林『・・・』
服部「・・・」
百地「・・・」(サクサクサクサク)


百地「・・・・。何・・・・?」
服部・藤林「『・・・・・いや・・・・・』」


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※超高速かりかり。

三上忍のポッキーの食べ方>

藤林=普通にポキポキタイプ
服部=二口あれば充分タイプ
百地=じゃがりこタイプ

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※こもちと言うか最早もちこなSSS


御題 : 今年のバレンタイン光景


菓子を貰った。
甘い甘い、棒状の。
これなら主(ぬし)でも食えるじゃろ、と
揶揄(からか)い混じりに渡された、何とも陳腐な子供菓子。


正直むっとはしたものの、文句をぶつける相手なぞ、そんな己の性根を見透かしとうに部屋から退散してて
正直甘い物というのは頭の疲れを取りやすい、と変な知識に纏わりつかれ、
たまには良いか、と思ってしまった己も居た。
仕方の無しに試しにと、ぽきりと一口、薄桃色を食(は)んでみる。
途端に広がる、甘い味。
仄かな酸味の香りは良いが、それ以上に甘さが強い。
己には、矢張り非道く合わぬ味。
何がこれなら主(ぬし)でも、だ。
食えるのは、精々この一口だけだ、と、眉根を寄せつつ文句を思い
ならば此奴の残りの始末はどうするか、と咥えた菓子を睨んでみる。


ふ、と見遣った視界の先に、見知った影がちらついた。
再度そちらへ視点を遣れば、其処にいたのは大と小なる二人の助。
並んで歩けば兄弟どころか親子と思うばかりの体格、身長差なのに、同じ名前を持つ奴等。
性格口調に色々と、何から何まで正反対の両者であるが、中々性根も気も合うようで
そういや最近、ちょくちょく二人の並ぶ姿を見掛けるな、と咥え駄菓子でそう思う。
何やらとことこ歩きながらに話し込んでるその様を、薄朦朧(うすぼんやり)と眺めていたら
ふ、と甘さで頭が回り始めたからか、とある案が浮かんできた。



――――丁度良い。



でこぼこ並ぶ二人の助の片方を、大きい方の肩をば叩く。
くるり振り向く高い男のその顔に、詳しく言えば唇に
咥えたままの菓子の先と己の顔を、背伸びをしてまで近づけた。
反射的にか硬直故か、相手の唇(くち)に力が入り、菓子の先を咥えた処を見計らい
ぽきりと一つ、己の咥えた片側に、歯を立てへし折り、顔を離す。
これで用事は済んだのだ。
くるり背を向けそのままに、背後の二人に手を振って、そのまま静かに離れ去る。
何やら背後でどさりと何かが倒れる音と、小さな方が喚く声が聞こえたが
そんな事など、知るものか。




菓子を貰った。
甘い甘い、棒状の。
これなら主(ぬし)でも食えるじゃろ、と
煮ても焼いても食えない奴から渡された、深読み御免の苺菓子。


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※いちごポッキー。


小助「Σ 『アバヨ』じゃねェエエエエエエエエッ!!!!(# ゚Д゚)」

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※模造伊賀忍ネタ

御題 : ちょっと変わった隠形術

百地「隠形術とは・・・素早く相手方や追っ手の隙をついて、或いは目を盗んで隠れる方法の事・・・。」
才蔵「・・・」(こくん)
百地「隠形術は・・・隠形遁甲(おんぎょうとんこう)とも遁甲偵察(とんこうていさつ)とも言って・・・
 言ってしまえば逃げたり忍び込んだりする際に一番よく使う術・・・。
 隠れて相手をやり過ごしたり、見つからないようにするのはかなり精神力と不動の心、冷静さが求められるからね・・・・
 身体の内側と外側・・・ちゃんと鍛えておかないと、この術はすぐに失敗するよ・・・」
才蔵「・・・わかった」
百地「さて・・・隠れる術、と一言で言っても、種類が沢山あるからね・・・。
 『観音隠れ』、『鶉隠れ』、『狸隠れ』、『狐隠れ』、『楊枝隠れ』、『扇子隠れ』・・・」
才蔵「・・・・・扇子?」
百地「文字の通り、扇を使った隠れ方だよ・・・どうやるかと言うと・・・・」(スッ)←扇
才蔵「・・・」


五右衛門「~♪」(てくてく)←通りすがり
百地「・・・いっしー、ちょっと・・・」
五右衛門「んあ?何・・・・Σ ひでぶっ!!? Σ( ̄ε ̄;)」(ベシィイイイン)←顔面クリティカル
百地「・・・・。」←扇子を閉じたまま、思いっきり振りかぶって投げた
才蔵「・・・・」


五右衛門「Σ――――ッ!!!!――――ッ!!!~~~~ッッ!!!???;;;←顔押さえて悶絶
百地「・・・・この隙に、逃げたり隠れたりする・・・。
才蔵「御師・・・・扇を使う意味・・・・;;;


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※『扇子隠れ』はこんな術ではありません。多分。

資料には「扇で敵の眼をふさいだ間に隠れる術」としか書いてありませんでしたので、
おそらくは双忍としてだったり、かなり接近された時とかに使用していたのでは、と思います。
また、この『扇子隠れ』や『楊枝隠れ』の扇や楊枝はあくまでもそういった隠れ方全体を象徴的に示してる文字に過ぎませんので
必ずしも扇や楊枝を使わなければならない、という訳では御座いません。

他の隠れ方も、いつかは書いてみたいですね(*´∀`)

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※模造伊賀忍ネタ

御題 : 消臭術

百地「忍びならば・・・匂いにも長けていないといけない・・・」
才蔵「・・・におい?」
五右衛門「嗅覚に優れていりゃぁ、火薬の匂いも即座に分かったり、天気の流れも分かったりするんだ。
 何より人の気配を察しやすくなる。気配ってのは言い換えれば人の匂いみたいなもんだからな。」
百地「そうだよ・・・。匂いは、色々な面で役に立ったり、今の状況や先の展開を読むのに必要だったりする・・・。
 でも・・・例えば忍び込んでいる時とかに・・・逆に相手側に感知されると非常に不利な事にしかならない・・・。
 だから、忍びならば、匂いを嗅ぎ分ける事は勿論、自分の匂いについても、常に気をつけていなければならない・・・」
才蔵「自分の、匂い・・・消すように?」
百地「そう・・・。そしてその為にまずやることは・・・・」
五右衛門「・・・・やることは?」



百地「こまめなお洗濯。
五右衛門「あれ一気に家庭的な方向になった


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※基本中の基本です。

「音もなく、臭いもなく、智名もなく、勇名もなし・・・」(万川集海)
・・・とありますように、忍びにとって匂いは音と同じくらいに大事で、気をつけなければならないものだったようです。
消臭術については他にも色々ありましたので、また機会があれば小ネタにしていきたいです★

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※模造伊賀忍・SS



――あの人の事は、知っていました。

境遇と言うか、事情と言うか。
性格性質気質に素質。どことなくは存じてました。
心底此処に合わぬ人だと。
何故此の地に居られるんだと。
少し見下し、蔑んで
どうせ長くは生きぬだろうと、そこで興味を切り捨てて。
そうして貴方を、見ておりました。

ある日貴方は、私の上へと収まりました。
何故、あんたが此処に居る。
何故、無関係の此処に居る。
何故、まだ死なずに此処に居る。
本来そこに収まるべきは、貴方ではない人だったのに。
けれども周囲はそれが当然かのように、貴方をそこへ座らせた。
そんな周りに私は少し訝(いぶか)しみ
僅かにうんざりしながらも、貴方の事を受け入れました。


あの人の事は、知っていました。


性格性質気質に素質、まるで貴方と違う人。
けれども貴方はあの人に、ひどく心を向けていた。
惚れた腫れたに妬いたに嫉(そね)んだ
そんな非常にくだらない、色気混じりのそれではなくて
どこか貴方の瞳には、悲痛に悲哀に苦悩に満ちた、罪悪感と言えるものが浮かんでました。
あの人を見る貴方の事を、何故でしょうね、いつの間にやら少し気にしておりました。


あの人の事は、知っていました。


貴方が部屋で倒れているのを見つけた瞬間、私は咄嗟に思いました。
あの人が理由で、原因なのか、と。
毒を含んだ貴方のその顔を見て、私は確信したのです。
そして同時に思ったのです。
どうして貴方が、ここまでしなければならぬのか、と。
毒で焼けた貴方の喉から漏れ出る声は、既に声では無いもので
もう二度と、聞ける事のなくなった貴方の声を耳にして
どうして貴方が、そこまでせねばならぬのか、と。
涙を流して、思ったものです。

不思議なもので、どうやら私はいつの間にやら
心底此処に似合わない
心底この地に居られない
そんな貴方のおかしな気質性質に、すっかり感化されてたようです。
だからこそに、思うのです。




――貴方の事は、知っていました。



貴方とあの人、二人の間に並々ならぬ事情が縺(もつ)れている事も。
それが理由であの人は、自ら毒を呷(あお)る事になったのだとも。
二度と喋れぬあの人は、それを己の「けじめ」であると答えてました。
けれども私は思うのです。

どうして彼が、毒を飲まねばならなかった。
どうして彼が、声を失わねばならなかった。
貴方は何も、なくしてなんかいないのに。

何故、と問いたい気持ちはあります。
けれども問いは致しません。
貴方とあの人、二人の間に何があったか、問うて詰めるは只の野暮。
利益も冥利もありません。
貴方の事は嫌いではない。
むしろ、感謝をしています。
本来ならば貴方であった筈なのに。
けれども私の上に来たのは、貴方ではなくあの人だった。
どういう経緯でそうなったのか、私は事情を知らないし、知るつもりもないけれど
あの人を、貴方は私の主の座へと、導いてくれた人なのだから。

けれども唯唯、これだけは。
貴方に対して、伝えたい。
私の大事な主から、声を奪い取ってしまった貴方の事を。




貴方の事を、お恨みします。








貴方の事を――――百地殿。


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※たっちー(楯岡道順)の話。


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